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栄養士コラム

栄養士コラム

第14号 食事指導の何故なぜ??に対応 その5

2022-01-18
病院での栄養指導で、患者さんに、より理解してもらう工夫は永遠の課題であり、これは今でも現在進行形です。指導で心掛けていることは発する情報に「それは何故?」と返された時に、きちんとその根拠、理由を理解して伝えることです。基本となる食事病態の関わりについて、患者さんから「何故?」の対応を連載でご紹介しようと思います。

【何故?糖尿病治療中で食事療法が変わるの?】
糖尿病の合併症はよく「し・め・じ」と言われます。これは神経障害、目の疾患、腎臓疾患の頭文字を表しています。糖尿病の食事療法の基本は適正栄養量の摂取です。この際には摂取している食品の量や質、調理法により適正栄養量を維持していきますが、先ほどの合併症が併発した際には食事療法が変わってきます。
特に腎臓病を併発した際には、従来の糖尿病の食事療法に加え、塩分管理はもちろん、腎臓の機能を守るために蛋白質の制限が加わります。さらに腎臓の機能低下が進行して透析療法になった際には、蛋白質制限は解除となりますが、カリウムや水分を含めた栄養素の制限が加わります。このように一連の状態でも糖尿病と病名は同じですが、その時々の病状による治療方針によって、食事指導は変わります。場合によっては、制限されていた脂質や糖質などが必要となる場合もあります。例えると、今まではサラダにノンオイルドレッシングと言われていたのが、これからは普通のドレッシングやマヨネーズで構いませんと言われるようなことです。合併症が進行していく糖尿病の患者さんにとって、この食事療法の変わる時期についてきちんと理解していただかなくては、逆に身体に負担のかける食事療法となってしまいます。そこで、患者さんが「何故?」と混乱しないように指導の際は気を使います。

このように患者さんたちに伝えることを自分なりに理解することで、野球のバッターのようにどんな変化球が来ても、対応できるよう備えることが少しでも可能かと思っております。⚾⚾⚾
毎日の生活ではいろいろな変化球が飛んできます。時にはデッドボールも飛んでくる中で、備えの大切さを痛感しております。
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