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栄養士コラム

栄養士コラム

第16号 食事指導の何故なぜ??に対応 その7

2022-02-10
病院での栄養指導で、患者さんに、より理解してもらう工夫は永遠の課題であり、これは今でも現在進行形です。指導で心掛けていることは発する情報に「それは何故?」と返された時に、きちんとその根拠、理由を理解して伝えることです。基本となる食事病態の関わりについて、患者さんから「何故?」の対応を連載でご紹介しようと思います。

【何故?透析療法では水分制限が必要なの?】

腎臓の大切な働きは身体の中で処理された物質を尿と共に体外に排出することです。何らかの原因でこの腎臓の処理能力が衰えると同じような働きは出来ません。そこで、蛋白質を控えることは先回お話しました。

腎臓が全く機能しなくなった場合には、透析療法が選択される場合があります。透析療法の腹膜透析は体内の腹膜を介して老廃物をろ過する方法ですが、血液透析は血液を専用の機器を介して老廃物をろ過します。
就寝中に時間をかけて行う「夜間透析」もありますが、血液療法でよく行われるのは一日おき(日によっては二日おき)に4時間ほどで行います。

4時間で前後の体の中の成分が入れ替わるので、透析と透析の間ではあまり体に老廃物をためない方が、透析中に負担が掛からないことが分かって頂けると思います。水分も同じで、2日分を一気に取り除くので、体内中の水分増加は少ない方が負担はかかりません。
この事から、栄養指導では水分管理とリンやカリウムなどの制限と、腎臓機能の代替は透析で行うので、蛋白制限は解除されることになります。

カリウムについては水の溶ける性質を利用して指導します。
元来カリウム含有が多い食品の摂取は控えることはもちろんですが、野菜はよくすすぎ洗いして、茹でこぼす事や、缶詰のシロップは捨てるなど、食品が水に触れることからカリウムが減少します。

触れる面積を多くすれば効率的ですので、野菜などは小さめに切った方が有効的です。その際に細く切った方がさらに効果的なことは、四角を4つをまとめてみると周りは8辺ですが、縦に4つ繋げてみると10辺となり表面積が増えることになります。これは基礎代謝量は背が高いほうが大きい事の説明にも繋がります。

このように患者さんたちに伝えることを自分なりに理解することで、野球のバッターのようにどんな変化球が来ても、対応できるよう備えることが少しでも可能かと思っております。⚾⚾⚾
毎日の生活ではいろいろな変化球が飛んできます。時にはデッドボールも飛んでくる中で、備えの大切さを痛感しております。
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