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栄養士コラム

栄養士コラム

第17号 食事指導の何故なぜ??に対応 その8

2022-03-02
病院での栄養指導で、患者さんに、より理解してもらう工夫は永遠の課題であり、これは今でも現在進行形です。指導で心掛けていることは発する情報に「それは何故?」と返された時に、きちんとその根拠、理由を理解して伝えることです。基本となる食事病態の関わりについて、患者さんから「何故?」の対応を連載でご紹介しようと思います。

【何故?植物性のあぶらと動物性のあぶらって】
私たちが必要とされる三大栄養素の一つに脂質があります。主に体を動かすエネルギーとなり、脂溶性の栄養素の代謝に関与します。脂質は植物性、動物性と区分されます。
不飽和脂肪酸の多く含まれる脂質は植物性の脂質、逆に不飽和脂肪酸が少なく飽和脂肪酸が多く含まれるのが動物性の脂質です。不飽脂肪酸はリノール酸、リノレン酸、アラキドン酸やドコサヘキサエン酸(DHA)があります。

この脂質の違いは「油脂」の漢字が示すように、常温で液状の脂質が「油」で植物性の脂質、常温で固まっている「脂」が動物性の脂質となります。すき焼きの際に利用する牛脂やラードが代表的なものです。飽和脂肪酸を摂り過ぎると血液中のLDLコレステロールが増加し、その結果、循環器疾患のリスクを増加させることが言われますので、取り方に注意を促します。

ところで、魚のあぶらは?どっち?でしょうか?
冷たい海や川で生息する魚類のあぶらは常温でも見分けがつきにくいです。また、脂質の構造も植物性に近いため、植物性の油脂として扱います。あぶらは温度が高くなると流動性が出てきます。ヒトの体は魚より体温は高いので、魚のあぶらはヒトの体内の中では固まりにくい油です。

敬遠されがちな脂質ですが、栄養素の吸収にも大きな働きをします。代表的なものは、脂溶性ビタミンの吸収です。
脂溶性のビタミンを覚えるコツは「ビタミンは脂溶性だけ」です。「だけ」を「DAKE」と読めば、ビタミンD、A、K、Eが脂溶性のビタミンで、それ以外は水溶性のビタミンです。

このように患者さんたちに伝えることを自分なりに理解することで、野球のバッターのようにどんな変化球が来ても、対応できるよう備えることが少しでも可能かと思っております。⚾⚾⚾
毎日の生活ではいろいろな変化球が飛んできます。時にはデッドボールも飛んでくる中で、備えの大切さを痛感しております。
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