栄養士コラム
第30号 米の価格高騰に思う
2025-05-21
昨今の米の価格高騰には皆さんも困惑していることと察します。米どころの富山県ではさすがに商品がないことはありませんが、価格の高騰は家庭での食事や施設等での給食運営にも大きな影響を及ぼしております。
ずいぶん前に冷夏の影響で米の流通が滞った時がありました。その際には緊急輸入米でのタイ米などで給食運営を行ったこともありました。食べ慣れない米でのご不満なども直接言われましたが、手元に食品がない辛さはどうしようもありませんでした。
日本は米とは深い繋がりがあります。「米」の漢字の由来も一つの苗から八十八が実るからとも聞いたことがありますし、また、戦国大名の勢力を示す指標が、人口や貨幣価値でなく、その地域で収穫されるお米の石高で示されたように、生活する上でどれだけ米が必要とされていたのか分かります。美味しいお米から作ったごはんは「おかず」がなくても充分私たちに満足感を与えてくれます。
主食を米で食べている割合が多い日本人にとって、いつも身近な存在だった米のありがたさを見直すとともに、安定した食料の流通がいかに大切であるかを感じております。
